整骨院がうまく集客できない主な原因と、効果的な集客方法を解説!
競争が激しい現代の整骨院では、経営を安定させるために効果的な集客方法が不可欠です。多くの整骨院が直面する主な問題は、市場の理解不足とターゲット設定の失敗にあります。
適切なターゲット層を見定め、その層に合わせたマーケティング戦略を立てることが重要です。市場と顧客を正確に理解し、それに基づいた戦略を展開することが成功への鍵となります。
この記事では、整骨院がうまく集客できない理由と、活用できる集客方法について解説します。
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当記事は、「一般社団法人日本治療院支援協会」の編集部が執筆をしています。これまで、セミナーやサービスを通じて3,000院以上の治療院を支援してきました。公式ブログでは、治療院の経営者向けに「治療院経営を成功させることができる秘訣」をお伝えします。 |
整骨院の集客とは?
整骨院の集客とは、新しい患者さんを治療院に引き寄せ、定期的に来院してもらうための活動全般を指します。これには、さまざまなマーケティング戦略や広告活動が含まれます。
現代の整骨院、接骨院、整体院などの治療院経営において、効果的な集客戦略の重要性は増すばかりです。
市場の競合が増加する中で、「技術があれば顧客が自然に集まる」という考えだけでは不十分です。常に向上心を持って、付加価値を提供しましょう。
まず集客の目的を明確にすることが大切です。どのような患者さんをターゲットにするのか、どの地域に焦点を当てるのか、適切なターゲット層を特定し、そのニーズに応じたアプローチを計画することが、集客戦略を立てる上での第一歩です。
整骨院のオンライン集客
オンライン集客では、インターネットを活用した様々な方法があります。優先度の高いものから順にご紹介します。
MEO(地図エンジン最適化)
MEOとは、Googleマップでの上位表示を目指す施策で、整骨院の情報や口コミを充実させることで、新規顧客の獲得が期待できます。
Googleマップは日常的に多くの人に使用されており、最初に行うべき集客方法です。
MEOは専門知識がなくても始めやすく、特にローカルビジネスに効果的です。
スマートフォンの普及により位置情報を活用する検索が増え、Googleのベニスアップデート(ユーザーの位置情報を検索結果に反映するGoogleのアルゴリズムの通称)により、地元の事業者が見つけやすくなっています。
また、MEO対策は競合が少ないため、上位表示が比較的容易で、訪問意欲の高いユーザーを引き寄せることが可能です。
Googleマップ上でのビジネス情報の可視性を高めるため、情報の正確性、レビューの質と量、写真の追加が重要です。
ユーザーはマップで店舗の詳細を確認し、直接電話をかける、ウェブサイトを訪れる、ルート案内を利用するなどのアクションを取りやすくなります。これらは、地域密着型ビジネスの整骨院にとって、非常に効果的です。
MEOを通じて、地元での認知度向上や新規顧客の獲得を目指しましょう。
LINE
LINEを活用した集客の有効性について、他のSNSと比較しながらご紹介します。
LINEは、幅広い年齢層に普及している連絡ツールであり、その特性を活かすことで効果的な集客が期待できます。
LINEの特徴と強み
LINEの最大の特徴は、連絡ツールとしての普及率の高さです。
若年層から高齢層まで幅広い年齢層に利用されており、今では連絡先の交換もメールアドレスではなく、ほとんどLINEで行われています。これにより、LINEを活用することで、あらゆる世代にアプローチすることが可能となります。
他SNSとの比較
他のSNS(例えばFacebookやInstagram、X(旧Twitter)など)と比べて、LINEは以下の点で優れています。
● 広範な年齢層
FacebookやInstagramは特定の年齢層に人気がありますが、LINEはほぼすべての年齢層に普及しています。これにより、特定のターゲット層に限らず、広範な顧客層にリーチすることができます。
● 即時性と直接性
LINEは直接的な連絡手段として機能するため、メッセージが即座に届きやすく、開封率も高いです。これにより、顧客とのコミュニケーションがスムーズに行えます。
集客におけるLINEの活用法
● クーポンの一斉送信
LINEでは、簡単にクーポンを一斉送信できます。これにより、多くのユーザーに対して一度にお得情報を提供し、集客に繋げることができます。
● アフターフォロー
初回施術後の状態確認や今後の施術計画をLINEで送信することで、顧客のフォローアップが可能です。これにより、次回の来院を促すことができます。
● イベントやキャンペーンの告知
新しいキャンペーンやイベント情報をLINEで配信することで、顧客に最新情報を迅速に届けることができます。
● 予約管理
LINEを使った予約システムを導入することで、顧客が簡単に予約できるようになり、予約管理も効率化されます。
LINEは、その普及率と使いやすさから、他のSNSと比較しても非常に効果的な集客ツールとなります。
特に幅広い年齢層に対応できる点や、直接的な連絡手段としての強みを活かすことで、顧客満足度を高めながら、継続的な来院を促すことが可能です。
LINEを効果的に活用し、整骨院の集客力をさらに高めていきましょう。
ポータルサイトへの登録
多くの患者さんが整体院や整骨院を探す際に口コミサイトを利用しています。ポータルサイトに登録することで、サイト登録ユーザーを新規顧客として獲得しやすくなります。
地域名と整骨院・治療院で検索すると、口コミサイトが上位に表示されるため、ポータルサイトに登録していないと集客のチャンスを逃してしまうのです。
特に効果的なサイトとして、エキテン、接骨ネット、EPARK、ホットペッパービューティーなどがあります。それぞれの特徴と利用方法を見ていきましょう。
エキテン
エキテンは国内最大級の口コミ・ランキングサイトで、約519万店が登録されています。整体院や接骨院、美容鍼灸など幅広いジャンルの店舗情報を掲載可能です。
店舗基本情報や写真、口コミ、メニュー、オリジナルクーポンの登録ができます。
基本的に無料で利用できますが、有料プランもあります。詳細を確認し、登録を検討してください。
接骨ネット
接骨ネットは東建コーポレーションが運営するポータルサイトで、利用者数は月間790万人以上です。
整体・整骨・鍼灸・マッサージ・カイロプラクティックなどの業種で登録でき、無料で始めることができます。
店舗基本情報や写真、口コミの管理、動画や求人情報などの登録も可能です。無料施設会員と有料施設会員があり、掲載情報が異なるため、詳細は下記URLよりご確認ください。
https://www.judo-ch.jp/sekkotsuinsrch/
EPARK
EPARK(イーパーク)接骨・鍼灸は登録者数425万人以上、年間閲覧回数1347万回以上の国内最大級の情報サイトです。
主に30代~40代の利用者が50%以上で、男女比はおよそ半々です。エリアやジャンル、予算で検索でき、口コミ機能も充実しています。
評価が高ければ新規顧客獲得に繋がります。料金は来店課金型のようですが、詳細は下記URLよりご確認ください。
ホットペッパービューティー
ホットペッパービューティーの利用者数は約3500万人で、他のサイトと比較しても、利用者数や購読率が非常に高い口コミサイトです。
利用者は美容意識の高い20代~30代の女性が8割弱で、10代後半の女性も含めると、読者の9割以上が女性です。
自院のターゲット層に合致すれば、広告宣伝効果は圧倒的です。掲載費用はエリアやプランによって異なるため、詳細を確認し、登録を検討してください。
整骨院の集客に効果的なポータルサイトへの登録についてご紹介しました。ポータルサイトを活用し、効果的な新規顧客獲得を目指しましょう。
SEO(検索エンジン最適化)
SEOとは、Googleなどの検索エンジンで自院のホームページを上位に表示させる戦略です。
基本とキーワード選定
SEOの第一歩は、顧客が検索するキーワードを理解し、それをホームページに反映することです。例えば、「整骨院 肩こり」「整骨院 腰痛」などのキーワードを使用します。
Googleのキーワードプランナーを活用し、検索ボリュームの高いキーワードを選びましょう。
コンテンツ充実とサイト構造
顧客が求める情報を詳しく提供することで、検索エンジンの評価が高まります。内部リンクを使い、ユーザーが情報を探しやすいサイト構造を作ります。
また、ユーザーがストレス無く情報にアクセスできるよう、スマートフォン対応とページの表示速度の向上も重要です。
外部リンクと継続的改善
信頼性の高いサイトからリンクを獲得し、Google AnalyticsやSearch Consoleで効果を定期的にチェックします。
ホームページは作るだけでなく、継続的な管理と改善が必須です。
SEOのメリットとデメリット
SEOは低コストで長期的な集客が可能ですが、効果が出るまでに時間がかかり、専門知識が必要です。
長期的な運用が求められますが、適切に実施することで、ウェブサイトの訪問者数と売上の向上が期待できます。
SEOについてご紹介しました。ぜひ、自院でSEOに取り組んでみてください。
Web広告の活用
2016年の柔道整復師法改正以降、広告に記載できる内容が制限されていますが、WEB広告を効果的に活用することで集客を促進できます。
広告に記載できる内容
柔道整復師法により、広告に記載できる内容は以下に限定されています。
● 柔道整復師の氏名、住所
● 施設の名称、電話番号、住所
● 施術日または施術時間
● ほねつぎ(または接骨)
● 予約や出張施術の実施、休日や夜間施術の実施など
これらの制約を守りながら、効果的に広告を展開することが求められます。
参照:京都市情報館(施術所の広告に関する規制について(柔道整復師法))
https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000170199.html
オフライン広告だけでなく、WEB広告も法律の対象となりますが、現時点でホームページは規制対象外です。そのため、WEB広告を使って顧客を自院のホームページに誘導することが非常に重要です。
WEB広告を活用することで、ホームページにアクセスを集め、より詳細な情報を提供し、集客につなげることができます。
ホームページでは、施術の詳細、料金、口コミ、予約方法などの情報を充実させ、来院を促します。特に、施術の流れや患者さんの声などを掲載することで、初めて訪れる患者さんにも安心感を与えることができます。
SNS運用(Instagram・facebook・X(旧:Twitter))
SNSは手軽に始められるため、整骨院でも取り入れやすい集客方法ですが、即効性は低く、フォロワーの獲得が成功の鍵となります。ここでは、Instagram、Facebook、X(旧:Twitter)の運用方法を具体的に見ていきましょう。
Instagramの活用
Instagramは画像と動画をメインに投稿でき、ハッシュタグを使ったキーワード検索が可能です。利用率は50%を超え、特に10代~30代のユーザーが多く利用しています。
整骨院の集客には、キャンペーンやハウツー情報を動画やイラスト付きで発信しましょう。
施術内容や院内の様子を視覚的に伝えることで、ユーザーが整骨院の雰囲気をイメージしやすくなります。親しみやすさを出すために、スタッフのオフショットなども投稿すると効果的です。
Facebookの活用
Facebookは実名での登録が基本で、信頼性の高い投稿が多いのが特徴です。
利用率は29.9%ですが、30代の利用率は46%と高く、この世代をターゲットにした集客に適しています。
Facebookでは、口コミの共有や施術のメリットをアピールする投稿が有効です。正確かつ有益な情報を発信し、信頼性の高さを活かしたマーケティングを行いましょう。
X(旧:Twitter)の活用
Xはテキスト、写真、動画の投稿が可能で、リツイート機能により情報が拡散されやすいSNSです。利用率は45%を超え、特に20代の利用率が78%と高いです。
整骨院の集客には、親しみやすくユーモアのある内容を意識し、トレンドキーワードを組み合わせた投稿が効果的です。また、Xの拡散力を活かして、多くのユーザーにアプローチしましょう。
出典:総務省「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000119.html
整骨院の集客に効果的なSNS運用方法についてご紹介しました。フォロワーを増やし、継続的に情報を発信することで、効果的に新規顧客を獲得しましょう。
YouTubeチャンネル開設
YouTube集客とは、自社のYouTubeチャンネルを通じてサービスや商品の魅力を伝え、新しい顧客を開拓する方法です。動画を使ってアプローチすることで、短時間で視聴者に深い理解を促すことができます。
YouTube集客を成功させるためには、ただ動画を定期的にアップロードするだけでは不十分です。競争が激しいYouTubeで集客を成功させるためには、ターゲットとなる視聴者層を明確にし、動画内容も視聴者の興味を引きつけるよう工夫しましょう。
定期的に新しい動画をアップロードし、視聴者との関係を維持します。コメントに返信したり、質問に答えたりすることで、視聴者のエンゲージメントを高めることができます。
整骨院がYouTubeを活用する具体例として、以下のようなコンテンツが考えられます:
● 施術紹介動画:肩こりや腰痛の施術方法を紹介
● 患者インタビュー:実際に施術を受けた患者の感想や体験談
● スタッフ紹介:施術を担当するスタッフの紹介やインタビュー
● 健康情報:ストレッチやセルフケアの方法を紹介するハウツー動画
整骨院の集客に効果的なYouTubeチャンネルの開設と運用方法についてご紹介しました。YouTubeを活用し、視覚的なコンテンツで新規顧客を獲得しましょう。
整骨院のオフライン集客
地域密着型ビジネスの整骨院では、オフラインの施策も効果的です。以下に具体的なオフライン集客の方法について詳しく説明します。
看板・ウェルカムボードの設置
看板やウェルカムボードは、整骨院の存在を周知させるための基本的かつ効果的な手段です。
実際に新規患者が1~2人だった地方の治療院で、施術者の顔が大きく載った看板を設置したところ、新規患者が10人まで増加した事例があります。
また、看板を見た休眠患者が再来院するようになり、患者数が大きく増加しました。
看板は、特に目立つ場所に設置することで、多くの通行人に見てもらえるため、集客効果が高まります。
ただし、首都圏や大都市では広告設置費用の効果が異なるため、費用対効果を考慮して設置場所を選ぶことが重要です。
交通・屋外広告
交通広告や屋外広告は、その地域で多くの人々にアプローチするための効果的な手段です。
通勤・通学の時間帯やランチタイムなど、サラリーマンや主婦層がよく利用する時間帯に広告を掲示することで、効率的にターゲット層に訴求できます。
例えば、バス停や駅前、商業施設の近くに広告を設置することで、多くの人々の目に留まりやすくなります。また、広告のデザインやメッセージも重要で、分かりやすく、記憶に残る内容にすることがポイントです。
新聞・フリーペーパー
地域新聞やフリーペーパーは、その地域に住む住民に対して直接アプローチできる効果的な手段です。
地域新聞社は、地域データを活用したピンポイントでのエリア集客が可能で、地元住民をターゲットにしたリピーター獲得に強みを持っています。また、新聞広告は信頼性と権威性が高く、読者に強い印象を与えます。
新聞やフリーペーパーに広告を掲載することで、地元の認知度を高め、来院を促進できます。特に、オリジナルデザインの広告を用いることで、整骨院の特徴を効果的に伝えることができるでしょう。
チラシ・ポスティング配布
チラシやポスティング配布は、ターゲットを特定して情報を直接届けるための効率的な方法です。
整骨院がその地域や需要に合わせたメッセージを配布することで、高い効果が期待できます。特に開業初期には、地域住民に自院の存在をアピールすることが新規患者の獲得に重要です。
チラシの配布では、何度も繰り返し行うことで効果が増します。広範囲に一度配布するよりも、範囲を絞って定期的に配布する方が効果的です。
DM・ハガキ
ダイレクトメール(DM)やハガキは、顧客に直接アプローチできるため、非常に効果的なマーケティング手段です。
DMは物理的に手に取って読むことができるため、デジタルメディアよりも記憶に残りやすく、特典や割引情報を提供することで、顧客の行動を促します。
また、顧客データベースを活用して過去の購買行動や興味関心に基づいてパーソナライズすることで、リピーターの獲得にも効果的です。
地域イベントへの参加
地域イベントへの参加は、地元のコミュニティと直接関わることができるため、自院の認知度を高め、顧客との信頼関係を築く絶好の機会です。
イベントでのデモンストレーションや特典の提供により、新規顧客の獲得や既存顧客のロイヤリティを高めることができます。また、ローカル情報誌などメディアの注目を集めることで、無料の宣伝効果も期待できます。
挨拶回り
地域密着型の治療院にとって、地元の住民に認知してもらい、信頼を築くことが非常に重要です。
特に新規開業時や周年イベントの際に近隣の住民や店舗に挨拶周りをすることで、地域との繋がりを強化し、新規顧客の獲得につなげることができます。
実際に、新規開業時に直接近隣へ挨拶に出向くことで、地域住民との信頼関係を築いた事例があります。
治療院で使用する消耗品の購入やタオルなどのクリーニングを近隣の店舗で依頼し、顔見知りの関係を築くことで、地域内での認知度を高める効果もありました。
対面でのコミュニケーションにより、地域の人々に「何かあった時には、あの治療院に行こう」と思ってもらえるかもしれません。これは高齢の顧客層に特に効果的です。
挨拶周りは、直接的な対人コミュニケーションを通じて、地域住民との強い信頼関係を築くことができます。対面での挨拶は、電話やデジタルメディアを通じたやり取りよりも強い印象を与え、親しみやすい人間関係を構築できます。
挨拶周りを効果的に行うためには、以下のポイントに注意しましょう
● タイミング:新規開業時や周年イベントなど、タイミングを見て行うと効果的です。
● 準備:整骨院の案内や名刺など、予め情報を準備し、手渡できるようにしましょう。
● 継続性:一度の挨拶で終わらず、定期的に顔を出すことで関係を深めていきます。
整骨院の集客に効果的な「挨拶周り」についてご紹介しました。商店街や住宅街で開業する際には、是非近隣へ挨拶回りを行い、地域に根付いた整骨院を目指しましょう。
既存客からの紹介
既存顧客からの紹介は、新規顧客獲得のための非常に効果的な方法です。
自院のサービスや施術に満足した顧客が自身の経験を共有することで、新規顧客に対する信頼と興味を自然に喚起します。
人々は知人や友人からの推薦を信頼する傾向にあり、紹介は高い信頼性を持ちます。紹介プログラムを導入することで、既存顧客のロイヤリティも高めることができます。
整骨院集客のポイント
集客を成功させるためには、ただ手法を増やすだけではなく、それぞれの方法が持つリスクやデメリットにも気を配る必要があります。
特に、口コミや紹介を軸にする戦略や、費用対効果を検証する重要性は無視できません。これらの観点から、効率的かつ効果的な集客の進め方について解説します。
ターゲットの明確化
整骨院の集客においてターゲットの明確化が重要であることについてご紹介します。
整骨院の集客対象は、新規患者さん、リピート患者さん、休眠患者さんの3つに分けられます。それぞれの集客には異なる戦略が必要であり、適切な方法を実施することで、効果的な集客が期待できます。
集客を行う際には、費用効果を考慮して戦略を立てることが重要です。
リピート患者さん>休眠患者さん>新規患者さんの順序で集客を実施すると、コストを抑えつつ効果的に顧客を増やすことができます。
まずは、リピーターや休眠患者の集客に力を入れ、その後新規顧客の獲得に取り組むことで、持続的な集客効果を得られるでしょう。
リピート患者さん
リピート患者さんは、初回以降も継続的に来院する顧客です。リピーターを増やすためには、初回の来院時に顧客に満足してもらうことが重要です。
リピート患者さんを増やすためには、施術の効果やカウンセリング、施術説明、整骨院の清潔感、アフターフォロー、施術者の人柄など、顧客の満足度を高める要素を充実させることが必要です。
これらの要素を改善し、顧客が満足する体験を提供することで、顧客満足度が高まればリピーターが増え、安定した集客が見込めます。
リピート患者さんの集客施策は費用が最も少なく済みます。既存の顧客に対して、満足度の向上を促す施策を行うことで、効果的に集客することができます。
休眠患者さん
休眠患者さんは、一度来院したものの、その後来院が途絶えた顧客です。
多くの場合、休眠患者さんは大きな不満があって離れたわけではなく、単に予約を忘れたなどの理由で通院をやめたケースが多いです。こうした休眠患者に対して、DMやハガキを送るなど、個別にアプローチすることが効果的です。
過去にトラブルがなければ、再度来院してもらうことは比較的容易です。既に一度関係を築いた顧客に対して再度アプローチする方が、新規顧客を集めるよりもコストがかからず、信頼関係も構築しやすいです。
特に、開業から時間が経ち、既存の患者数が多い場合には、休眠患者の掘り起こしが有効な戦略となります。
新規の患者さん
新規の患者さんを集めるためには、潜在顧客や見込み客にアプローチすることが必要です。
潜在顧客は整骨院の存在すら知らない人々を指し、見込み客は整骨院を知っているがまだ利用していない人々を指します。チラシやホームページ、SNSなどを活用して整骨院の存在を知らせ、興味を持ってもらうことが重要です。
これには、他の整骨院との差別化が不可欠であり、特典や初回割引などの施策を活用して見込み客の来院を促します。
新規の患者さんの集客には最も費用がかかるため、他の患者さんに対する集客方法で効果が出てから実施すると良いでしょう。
顧客ニーズの把握
顧客のニーズを正確に把握することは、効果的なマーケティング戦略を立てるための基盤となります。具体的な分析手法やそのメリットを理解し、整骨院の運営に活かしていきましょう。
顧客ニーズ分析の基本
顧客ニーズ分析とは、顧客の購買行動やアンケートデータなどを基に、顧客の求めるものを読み取り、それをマーケティング戦略に反映させる手法です。
整骨院においては、患者さんが何を求めているのか、どのようなサービスに満足しているのかを把握することが、サービスの質を向上させ、集客につなげる鍵となります。
顧客ニーズ分析の方法
アンケート調査:患者さんにアンケートを実施し、サービスの満足度や改善点を尋ねます。具体的な質問を設けることで、ニーズを細かく把握できます。
購買データの分析:施術の頻度や利用されるサービスの種類を分析し、どのサービスが人気があるのか、どのような層が利用しているのかを把握します。
フィードバックの収集:患者さんからの口コミやレビューを収集し、良い点と悪い点を把握します。オンラインレビューサイトやSNSも活用しましょう。
顧客ニーズ分析のメリット
顧客ニーズ分析をすることで、以下のメリットが得られます。
ターゲット層の明確化:顧客ニーズ分析を通じて、どの層にアプローチすべきかが明確になります。例えば、若年層向けと思っていたサービスが実は高齢者に人気があることが判明すれば、ターゲット層を再設定し、それに応じたマーケティング戦略を展開できます。
サービスの改善:顧客のフィードバックを元にサービスを改善することで、顧客満足度が向上し、リピート率が高まります。例えば、施術の内容や施術者の対応についての意見を取り入れ、具体的な改善を行うことで、患者さんの満足度を高めることができます。
新規サービスの開発:顧客のニーズを把握することで、新たなサービスやメニューの開発に役立ちます。例えば、腰痛に特化した施術や、リラクゼーションを目的としたコースなど、顧客の要望に応じたサービスを提供することで、新規顧客の獲得につながります。
マーケティング戦略の最適化:ターゲット層が明確になることで、広告やプロモーション活動も効果的に行うことができます。例えば、高齢者向けのリーフレットや広告を地域のコミュニティセンターに配布するなど、効果的なプロモーションが可能になります。
これらの方法を取り入れて、効果的な集客戦略を実践していきましょう。
集客目標の設定
効果的なマーケティング施策を検討し、実行するためには、まず明確な集客目標を設定することが不可欠です。目標設定は、マーケティングの成果を測定し、改善策を講じるための基盤となります。
集客目標の設定方法
集客目標を設定する際は、まず売上目標を決定し、そこから必要な購買人数や購買回数、購買金額を逆算する方法が有効です。
具体的な目標を数値化することで、達成すべき目標が明確になり、戦略を立てやすくなります。
具体例:1ヶ月の売上目標を100万円と設定した場合、以下のように逆算します。
購買人数:100人
平均購買回数:2回
平均購買金額:5,000円
このように具体的な数値を設定することで、達成すべき具体的な行動が見えてきます。
具体的な指標の設定
漠然とした目標だけでは、具体的に何をすれば良いのかが分からず、達成が難しくなります。そのため、目標を達成するための具体的な指標を設定することが重要です。この具体的な指標のことを「KPI(KeyPerformanceIndicator)」と言います。
KPIとKGI
KPIは、日々の業務や短期的な目標を測定するための指標です。例えば、毎月の新規顧客数やリピート率、キャンペーンの反響などがKPIに該当します。
一方、「KGI(KeyGoalIndicator)」は最終目標を示す指標です。これは、事業全体の成功を測定するためのもので、例えば年間売上目標や顧客満足度の向上などがKGIに該当します。
具体的な目標設定を怠ると、以下のような負のスパイラルに陥る可能性があります:
● 目標未達成の状態に慣れてしまう
● 目標を達成するための具体的な手段が分からない
● 日々の業務が目標達成に繋がっているかがはっきりしない
こうした状況を避けるためには、KPIとKGIを明確に設定し、それを基に日々の業務を進めることが重要です。
実践のポイント
1.目標を数値化:具体的な数値目標を設定することで、達成すべきことが明確になります。売上目標から逆算して購買人数や購買回数を設定します。
2.KPIの設定:新規顧客数やリピート率など、日々の業務に直結する指標を設定します。これにより、毎日の業務が目標達成に向けた意味ある行動となります。
3.KGIの設定:年間売上目標などの長期的な最終目標を設定し、事業全体の方向性を示します。KGIを設定することで、短期的なKPIの達成が最終的な成功に結びつくことが分かります。
集客目標の設定は、整骨院の集客戦略を成功させるための第一歩です。
具体的な数値目標を設定し、KPIとKGIを活用することで、日々の業務が目標達成に向けた意味あるものとなります。これにより、効率的な集客が実現し、整骨院の成長を促進できます。
この機会に、ぜひ自院の集客目標を明確に設定し、効果的なマーケティング戦略を展開していきましょう。
集客に失敗する原因7つ
集客がうまくいかない理由は多岐にわたりますが、これらを理解し対策を講じることで、集客効果を高めることが可能です。以下では、主な原因とその解決策について詳しく説明します。
1.戦略なしに人を呼び込もうとしている
無計画な集客活動は効果が薄いです。集客には戦略が必要で、目的を持った計画的な取り組みが求められます。
2.潜在顧客のニーズを理解していない
顧客が求めるサービスや情報を提供できていない場合、集客は難しくなります。顧客のニーズを理解し、それに応じた施策を展開することが重要です。
3.ターゲット層を正しく設定できていない
サービスがどの層に向けたものであるかを明確にしないと、集客効果は薄れます。正確なターゲット設定が必要です。
4.使用している広告媒体が適していない
広告や宣伝に使用する媒体がターゲット層に適していないと、効果は期待できません。顧客層に合った媒体選定が重要です。
5.強みが分かりづらい
整骨院の強みや特徴が顧客に伝わっていないと、選ばれる理由がなくなります。分かりやすく、魅力的にセールスポイントを伝えることが必要です。
6.ライバルの分析が足りない
競合する他院の強みや弱みを理解し、それに対する差別化ができていないと顧客に選ばれにくくなります。競合分析をしっかり行い、自院の独自性を打ち出しましょう。
7.サービスやブランドの認知度が低い
自院の存在やサービスが顧客に知られていない場合、集客は困難です。積極的なPR活動が必要です。
解決策と考え方
集客の課題を解決するためには、適切な戦略と明確な方針が必要です。
以下に、効果的な集客方法を見つけるための具体的な考え方と実践的な解決策を紹介します。これらの方法を活用し、集客力を向上させるためのステップを明確にしていきましょう。
1.戦略的なアプローチ
まず、目標を明確に設定し、それに基づいた具体的な集客戦略を立てましょう。ターゲット層を明確にし、その層に向けたメッセージを発信します。
2.顧客ニーズの把握
アンケートやフィードバックを活用し、顧客が求めるサービスや改善点を把握します。それに基づいてサービスを改善し、顧客満足度を高めましょう。
3.適切な媒体選定
ターゲット層がよく利用する媒体を選び、その媒体を通じて効果的な広告や宣伝を行います。オンライン広告や地域のフリーペーパーなど、適切な媒体を活用しましょう。
4.魅力的なセールスポイントの伝達
自院の強みや他院にはない特徴を明確に伝えます。施術の目的や内容、利用者の声などを具体的に紹介し、顧客に選ばれる理由を提供します。
集客に失敗する原因とその解決策についてご紹介しました。これを参考に、自院の集客戦略を見直し、成功へとつなげてください。
口コミや紹介を軸にする
整骨院の集客を効率化するために、広告に依存せず、口コミや紹介を増やす方法についてご紹介します。
広告は継続的な費用がかかりますが、口コミや紹介は費用をかけずに集客力を高めることができるため、非常に効果的です。
● 広告依存からの脱却
広告で集客成果を出すには、常に費用を払い続ける必要があります。これは短期的な集客には効果がありますが、長期的にはコストがかかりすぎる可能性があります。
そのため、広告に依存せずに集客を図る方法として、口コミや紹介を活用することが重要です。口コミや紹介は一度軌道に乗れば、継続的に新規顧客を引き寄せる効果があります。
● 口コミ・紹介の重要性
実際に成功している整骨院では、口コミ・紹介による新規顧客の流入が一般的です。
顧客が治療院選びで重視する要素として、「友人や家族からの紹介」が上位に挙げられています。これは、口コミや紹介が広告媒体よりも信頼性が高く、効果的な集客手段であることを示しています。
継続的に費用がかかる広告に依存せず、顧客満足度を高めることで自然に口コミや紹介が増える仕組みを作りましょう。
集客の効果を検証する
効果的に商品やサービスを広め、売り上げを上げるには、投じた費用がどれだけ効果をもたらしているかを正確に測定することが非常に重要です。
費用効果を理解し、適切に分析する方法を学ぶことで、より効率的な経営戦略を立てることができます。
費用対効果とは、投資したコストに対して得られた利益のことを指します。
これは、直接的なお金の利益だけでなく、整骨院のブランドイメージの向上や顧客満足度の向上など、間接的な効果も含まれます。
費用対効果を測定する意義は大きく、単に利益を追求するだけでなく、事業の持続可能性や成長潜在力を評価するためにも役立ちます。
効果測定には、集客の投資対効果(ROI)や広告の費用対効果(ROAS)など、様々な指標があります。これらの指標を用いることで、異なる集客活動の効果を比較し、どの活動が最も効率的であるかを判断できます。
高い費用対効果を持つ活動を特定し不要なコストを削減することで、全体の利益を最大化できるため、企業の効率的な運営には欠かせないプロセスと言えるでしょう。
集客の効果を正しく測定し、結果に基づいた戦略的な経営判断は、整骨院の売上拡大だけでなく、人材の育成やチームのモチベーション向上にも寄与します。
この知識を活用して、より効果的な販促施策を実施しましょう。
集客に関連する規制
整骨院が広告を使って集客する際には、複数の法律を遵守する必要があります。
広告物は全て発行した施術所の責任となり、違反すると行政指導や罰金などのリスクがあります。
また、近年、保健所の広告指導が厳しくなっており、法律に掲げる事項以外は認められないことが多くなっています。
広告を活用する際には関連法規を遵守することが極めて重要です。
整骨院の集客に関連する法律
主に関連する法律は以下の通りです。
● 景品表示法:不当表示や過大な景品提供を防ぐための法律
● 薬機法(旧薬事法):医薬品や医療機器に関する規制
● 医師法:医療行為の範囲を規定し、適切な医療提供を保証
● あはき法:鍼灸院やマッサージ指圧院に関する規制
● 柔道整復師法:接骨院や整骨院に関する規制
これらの法律を無視して広告を出すと、指導や処罰の対象になる可能性があります。過去には、法律に違反して指導を受けたり、処罰された事例もあるため、注意が必要です。
OKな表現
以下の内容は広告に含めることが認められています。
● 柔道整復師の氏名および住所
● 施術所の名称、電話番号、所在地
● 施術日および施術時間
● 予約施術の実施
● 休日や夜間の施術の実施
● 出張施術の実施
● 駐車設備に関する事項
NGな表現
一方、以下のような表現は広告に使用できません。
● 「治療」「診断」「診療」などの医療行為を示唆する表現
● 施術の技能や経歴に関する事項
● 施術の流れや料金、無料体験に関する情報
これらの表現を使用すると、医師法違反と見なされる恐れがあります。
特に、「治療」や「診断」、「診療」といった表現は、整体師の施術が医療行為と誤認される可能性があるため、厳格に規制されています。
適切な表現を使用し、法律に準拠した安全な広告を目指しましょう。
まとめ
整骨院の集客に関する一連の記事を通して、効果的な集客方法や戦略について解説しました。
整骨院の集客にはターゲットの明確化と適切なアプローチが重要です。リピーター、休眠患者、新規患者に対する戦略を立て、コスト効率を考慮しましょう。
オンライン集客では、MEOやSEOが効果的です。LINEを活用してクーポンの送信やアフターフォローメッセージの送信も有効です。ポータルサイトへの登録も新規顧客獲得に役立ちます。
SNS運用では、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などの特徴を理解し、適切なコンテンツを発信しましょう。
オフライン集客では、看板、交通広告、新聞・フリーペーパーへの広告が効果的です。チラシやDMの配布、地域イベントへの参加も有効です。
口コミや紹介に特典を用意するのも良いでしょう。紹介プログラムの導入は顧客のロイヤリティを高めます。
法規制の遵守も重要です。景品表示法や薬機法などを理解し、適切な広告表現を使用することで、安全かつ効果的な集客活動ができます。
最後に、効果的な集客のためには、常に集客目標を明確にし、進捗を管理することが大切です。データに基づいた戦略的なアプローチを実践することで、持続的な集客効果を得られます。
これらの知識と戦略を活用して、整骨院の集客力を向上させ、成功への道を歩んでください。
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この記事を書いた人 |
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当記事は、「一般社団法人日本治療院支援協会」の編集部が執筆をしています。これまで、セミナーやサービスを通じて3,000院以上の治療院を支援してきました。公式ブログでは、治療院の経営者向けに「治療院経営を成功させることができる秘訣」をお伝えします。 |