治療院経営は何から始めればいい?成功させるポイントを徹底解説

治療院経営は何から始めればいい?成功させるポイントを徹底解説

治療院経営を始める際、このような悩みを抱えている経営者は多いのではないでしょうか?

開業前に何から最初に手をつければいいのか見当がつかない
売上を安定させる方法が分からない。どうしたらいいだろうか?

治療院経営には、注意を払わなければならないことが数多くあります。

そこで、今回の記事では、治療院経営に関するメリット・デメリットや成功へのコツについて詳しく解説します。

治療院経営をすでにしている方が実践していることも紹介していますので、ぜひご覧ください。

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この記事を書いた人
日本治療院支援協会編集部

当記事は、「一般社団法人日本治療院支援協会」の編集部が執筆をしています。これまで、セミナーやサービスを通じて3,000院以上の治療院を支援してきました。公式ブログでは、治療院の経営者向けに「治療院経営を成功させることができる秘訣」をお伝えします。

治療院業界の課題と現状

治療院業界とは、身体の痛みや機能障害の治療を提供する施設を運営する産業を指します。

これには整骨院、鍼灸院、マッサージ院などが含まれ、様々な治療法を用いて健康維持や症状の改善を目指します。

物理療法、カイロプラクティック、鍼灸などの代替医療やリハビリテーションサービスを提供し、高齢化社会の進展や健康意識の高まりにより需要がさらに増加しています。

治療院業界の課題

近年、整骨院や鍼灸院などの治療院業界は急速に成長しており、過去10年間で施術所の数は約1.5倍に増加しました。しかし、この業界には成長と同時にいくつかの課題も存在しています。

新型コロナウイルスのパンデミックは、患者数の減少や経済的な打撃など、治療院業界に大きな影響を与えました。

加えて、治療院で働く新人の育成不足が技術水準の低下を招いています。

経営面では、競合の増加、規制の強化、資金調達の難しさ、経営ノウハウの不足などが課題となっており、特に規制の強化は不正請求などの問題に対処する必要性を高めています。

経済的には、治療院経営者の年収は経験や業績によって大きく変動し、独立開業することで年収1000万円以上を目指すことも可能ですが、平均的な収入は350万円程度となっています。

治療院業界はさまざまな課題に直面していますが、市場の変化に対応し競争力を維持するための努力が続けられています。

また、経営者は経営状況の定期的な確認、他院との差別化、安売りの回避、施術メニューの特化、リピート率の向上などに注力し、業界の発展に貢献しています。

このように、成長と課題が共存する中で、治療院業界はさらなる発展を目指しています。

治療院経営者の年収

治療院経営者の年収は、治療院の規模や地域、経営者の経験や専門性などによって大きく異なります。

整骨院・整体院

地方都市にある整骨院や接骨院の経営者の場合、年収は500万円から800万円程度といった範囲になることがあります。

これは、経営者本人が施術者としても活躍する場合や、スタッフ数が限られている場合が一般的です。

そのため、自身で経営することにより、勤務時間や働き方に柔軟性を持たせることができますし、患者さんの予約状況や自分のライフスタイルに合わせて、勤務スケジュールを調整することが可能です。

マッサージ

マッサージ師という職業は、厳密には「あん摩マッサージ指圧師」として知られています。

この資格は国家試験に合格し取得した者が名乗ることができ、開業権利を持ち、法律でマッサージを施すことが認められています。

開業した場合の年収は120万円から600万円以上と事業の売上が直接給料に影響するため、収入に大きな差が出ます。

また、あん摩マッサージ指圧師は自営業者が多く、半数以上が自営・フリーランスで活動しており、病院や治療院での勤務を経て独立開業の準備をするのが一般的です。

独立開業では、あん摩マッサージ指圧師としての専門知識に加えて、経営能力も求められ、不安定な要素も含まれますが、開業後に事業が成功すれば、勤務時の給料以上の収入を得ることが可能です。

大規模になれば夢がある

大規模な治療院の経営者の年収は、数千万円になることもあります。

例えば、大都市にある大手のリハビリテーション病院の経営者の場合、年収は2000万円以上になる場合もあります。

また、多数の診療科目を提供し、専門家やスタッフを数多く抱えており、設備や施設の充実度も高く、地域や国内外から多くの患者が訪れることが特徴です。

さらに、大規模治療院の経営者は、様々な業務や施設の管理、専門家やスタッフの統括など行うため、高額な年収が支払われる場合があります。

その一方で、業績や経営状況によって年収は変動するため、常に経営の安定と成長に努める必要があります。

このように、治療院経営者の年収は、治療院の規模や地域、業績、経営者の経験や専門性によって大きく異なります。

また、経営者が施術をする場合や、スタッフの給与や事業拡大に伴う経費も考慮する必要があります。

経営状況や業績の向上により、経営者の年収も増加する可能性がありますが、それには努力とリスク管理が必要です。

治療院を経営するメリット

定年後の柔軟な働き方と経済的安定

治療院を経営することで、経営者は定年後も健康であれば働き続けることが可能です。そのため、定年後も施術を継続し、収入を得ることができます。

例えば、50歳で治療院を開業した場合、通常の会社員と異なり、60歳での定年退職の制約に直面しません。

そのため、定年後も施術を継続し、収入を得ることができます。この自由さにより、経済的な安定を享受し、老後の生活に不安を感じることなく、自分らしい生活を送れます。

定年後の柔軟な働き方は、ストレスの軽減や健康の維持にも繋がりますし、経営者は自分のペースで仕事を進め、無理なく働き続けられます。

これにより、経済的な安定だけでなく、心身の健康も維持することが可能です。

このことから、治療院経営者は、定年後も充実した生活を送り、老後に向けて安心して準備することができるでしょう。

勤務時間や働き方の柔軟性

治療院を自ら経営することで、経営者は勤務時間や働き方に柔軟性を持たせることができます。

例えば、週の中で特定の曜日は短縮勤務とし、自身のライフスタイルに合わせて勤務スケジュールを調整することが可能です。

治療院経営者は週に何日間働くか、何時間働くか自分で決めることができます。

特定の曜日は短縮勤務とし、その代わりに他の日は長時間勤務をするなど、自身のライフスタイルに合わせた柔軟なスケジュールを組むことができます。

また、治療院の立地や地域の需要に応じて、季節ごとに勤務時間を変更することも可能です。

さらに観光地の治療院では夏や冬のシーズンに忙しくなることが予想されるため、その時期には増員して長時間勤務するなどの対応が取れます。

市場需要の高まり

高齢化社会の進行や健康意識の高まりに伴い、代替医療やリハビリテーションサービスへの需要が増加しています。

これにより、治療院への需要も高まっており、ビジネスとしての可能性が広がっています。

高齢者やスポーツ選手など特定のニーズに特化した治療院を経営することで、需要に応えられる為、市場需要の高まり、治療院経営者は安定した収益を得られます。
具体的には、高齢化社会の進行により、慢性疾患や関節痛、身体機能の低下などの問題を抱える高齢者の治療ニーズが増加しています。

また、健康意識の高まりにより、リラクゼーションやストレス解消を目的としたマッサージや整体などのサービスへの需要も拡大しています。

さらに、スポーツ人口の増加に伴い、スポーツ障害の治療やパフォーマンス向上を目的としたトレーニングニーズも増加しています。治療院経営は、定年後のキャリアオプションとしても魅力的な選択肢であり、経済的自立を促進し、生活の質を向上することが可能です。

経営者は自らの時間をコントロールし、市場ニーズに応えるサービスを提供することで、社会に貢献しながら収入を得られます。

そのため適切な計画と戦略を立て、これらのメリットを最大限に活用することで、治療院経営者は成功への道を切り開きます。

治療院を経営するのが難しいと言われる理由

競合の増加と供給過多

治療院経営における難しさの一因は、競合の増加と供給過多です。

近年、整骨院や接骨院の数が増加しており、市場には治療院が過剰供給されています

例えば、ある地域に整骨院や接骨院が密集して存在し、患者の選択肢が広範囲にわたる場合、治療院経営者は顧客獲得に苦労することがあります。

また、地域内に同じようなサービスを提供する施設が多く存在すると、患者の流入を確保することが難しくなります。

その為、類似の施設が増えることで顧客の分散化が進み、患者の獲得が難しくなる一方、競争が激しさを増して価格競争による収益圧迫が起こりやすくなります。

このような競合の増加と供給過多の状況下で、治療院経営者は市場動向に敏感であり、差別化戦略や顧客獲得の施策を工夫する必要があります。

利益の重要性の理解不足

治療院経営におけるもう一つの課題は、利益の重要性の理解不足です。

たとえば、治療院経営者が売上だけに注目し、利益を見落としているケースがあります。
利益を最大化するためには、売上だけでなく、コスト管理や効率化など、様々な要因を考慮する必要があります。

しかし、多くの経営者がこの点でのノウハウを持ち合わせていないことが問題となっています。

また、施術に使われる材料のコスト削減や、効率的なスタッフ配置など、利益を増やすための戦略を持っていない場合、経営上の困難さが生じます。

利益を適切に最大化するためには、経営者自身が財務管理やビジネス戦略に精通し、利益を向上させる取り組みをする必要があります。

保険請求の問題と規制強化

さらに、治療院経営の難しさは、保険請求の問題と規制強化も含まれます。

一部の施術院が不正な手段を用いて保険請求をし、適切でない施術を行ったり、患者を不必要に長く治療に通わせたりする事例が増えています。

このような不正請求の増加に対処するため、政府や保険会社は規制を強化しています。

また、不正請求が蔓延することで、保険請求による収入が減少し、経営を圧迫するケースが見られます。

一方で、不正な行為をしていないにもかかわらず、厳しい規制によって正当な治療院も影響を受けています。

したがってこのような状況下では、治療院経営者は適切な規制順守と業務の透明性を確保することが重要です。

治療院経営を始めるための流れ

【ステップ1】開業したい治療院の種類を決める

治療院を開業する際には、最初に提供する施術の種類を決めることが不可欠です。

これは事業をスタートさせる上で非常に重要な段階であり、将来の経営方針や提供するサービス内容に大きな影響を与えます。

以下のようにさまざまな種類がありますのでどの種類の施術を提供する治療院なのかを決めていきましょう。

整骨(せいこつ)

整骨は、打撲、捻挫、脱臼などの急性のケガや慢性的な痛みの治療をする施術で。柔道整復師などの専門家が、関節の調整やマッサージを通じて身体のバランスを整え、痛みを緩和し、機能の回復を促します。

鍼(はり)

鍼は、細い金属針を使用して体内の経絡やツボに刺激を与える施術です。鍼を刺すことで体のエネルギーの流れを整え、身体のバランスを調えることが目的です。鍼灸師が行うことが一般的であり、鍼治療とも呼ばれます。

灸(きゅう)

灸は、お灸(おきゅう)を使って皮膚に熱を与える施術です。

お灸は、艾(もぐさ)や艾草(がいそう)を燃やしてできたものであり、皮膚の上で熱を感じることで体のめぐりを促進し、身体の調子を整える効果があります。

マッサージ

マッサージは、手や指を使って筋肉や組織を揉みほぐす施術です。

コリや緊張をほぐし、血液やリンパ液の循環を促進することで、身体の疲れやストレスを解消し、健康をサポートします。マッサージセラピストが患者に施術をします。

これらの施術の種類の中から、自分が行いたい施術を選び、その施術を提供するための治療院を開業することが重要です。

自身の専門性や興味を活かし、患者の健康や幸福に貢献する治療院を目指しましょう。

【ステップ2】開業に必要な資格を取得する

開業する治療院の業態に応じて、適切な国家資格を取得する必要があります。

例えば、整骨院を開業する場合、柔道整復師の国家資格が必要です。
柔道整復師とは、整骨院や接骨院などで骨格や筋肉の異常を診断し、それらを手技療法によって治療する専門家です。

整骨院を開業するには、柔道整復師の国家資格が必要です。この資格を取得するためには、一定の教育機関で3年以上学習を学び、国家試験の合格が必要です。

国家試験に合格した後は、所轄の保健所や厚生労働省に柔道整復師としての登録手続きを行います。

登録手続きが完了すると、柔道整復師としての活動が正式に認められ、整骨院を開業するための最低限の資格を得ることができます。

以上のことから、治療院を開業するには、それぞれ適切な国家資格を取得することが不可欠であり、そのためには一定の教育を受け、国家試験に合格する必要があります。

【ステップ3】治療院のコンセプトを考える

提供するサービスや専門性の明確化が不可欠です。

整骨院の場合、特定の治療領域に特化するか、一般的なケアを提供するかを決定することが重要です。

スポーツ障害の治療に特化する場合

スポーツ愛好家やアスリートをターゲットにする。
スポーツ関連の施設やクラブと提携し、特定のスポーツに関連する障害の治療に重点を置くことが考えられます。

専門的な機器や施術法を導入し、スポーツパフォーマンスの向上をサポートする。
さらに、スポーツ障害の予防やリハビリテーションプログラムを提供することで、アスリートの復帰を支援します。

また、一般的なケアを提供し、地域住民全般を対象にする場合、
幅広い年齢層や症状に対応できるよう、多岐にわたる治療メニューやサービスを提供する。

地域の特性やニーズに合わせて、健康教育プログラムや予防策の普及活動を行いながら、
地域社会への貢献を図り、さらに地域の医療機関や福祉施設と連携し、包括的な健康管理を推進することが重要です。

このようにコンセプトを考えながら、治療院は効果的なサービス提供と顧客ターゲティングをし、地域のニーズに適切に応えていきます。

【ステップ4】開業する場所を決める

治療院を開業する場所を選定します。

まず、考慮すべき点は、交通の便の良さです。
患者が治療院にアクセスしやすい場所を選ぶことは重要事項です。

特に、公共交通機関の利用が可能であるか、

近隣に駐車場があるかなど、患者が利用しやすい交通手段を確保することが必要です。また、地域の需要に合った場所を選ぶことも重要です。

地域の人口構成やニーズを調査し、治療院が提供するサービスが需要と合致しているかどうかを検討する必要があります。

整骨院を開業する場合

整骨院は、ケガや怪我の治療を中心に行う施設であるため、地域の需要に合った場所を選ぶことが重要である。
アクセスしやすく、利用者が足を運びやすい場所を選定することで、患者の利便性を向上させます。

さらに、開業を考えている物件が商用利用が可能であるかどうかを確認する。
周辺環境や競合施設の存在、治安の面なども重要な要素として考慮する。
患者のプライバシーや快適性を確保するために、周辺環境の静かさや清潔さも重要な要素となる。

このように、開業する場所を選定する際には、交通の利便性や地域の需要だけでなく、商用利用の可否や周辺環境も含めて総合的に判断することが必要です。

これらの要素を考慮した上で、最適な場所を選ぶことが治療院の成功につながります。

【ステップ5】必要な設備を整える

まず、整骨院で必要とされる設備の一つに施術台があります。

施術台は、患者さんが施術を受けるために使用されるベッドやマッサージ台などを指します。

これらの施術台は、患者さんが快適に施術を受けられるようにするために、適切な高さやクッション性が確保されている必要があります。

また、待合スペースも治療院で重要な設備の一つです。

患者さんが施術を待つ間、リラックスできる空間を提供することが求められます。椅子やテーブル、雑誌や情報パンフレットなどが配置され、患者さんが心地よく過ごせる環境を整えます。

例えば、整骨院ではリハビリ機器も欠かせない設備です。これには、エクササイズバイクやトレーニング機器、温熱治療用具などが含まれます。

これらの機器は、患者の治療やリハビリテーションをサポートし、効果的な治療をするために不可欠です。

さらに、治療に必要な消毒用品や備品も準備する必要があります。
消毒用品は、施術器具や施術台などを清潔に保つために必要なアルコールや消毒液などを含みます。

備品としては、タオルやシーツ、使い捨てカバーなどがあり、患者のプライバシーや快適性を確保するために重要です。

以上のように、必要な設備を整えることで、治療院が患者に安心して治療を受けられる環境を提供し、準備をしていきます。

【ステップ6】集客方法を考える

集客方法を考え、治療院が患者を獲得するための戦略を立てます。

例えば、整骨院がスポーツ障害の治療に特化している場合、
地域のスポーツチームやスポーツクラブ、フィットネス施設などと提携し、選手やメンバーへの紹介を受けることが有効です。

このような提携は、スポーツ愛好家やアスリートをターゲットにした集客を促進し、治療院の知名度向上にも貢献します。

次に治療院のホームページや各種SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して広告をすることが効果的です。

ホームページでは、治療内容や院内の雰囲気を紹介し、患者が安心して訪れるきっかけを提供します。

また、SNSを活用することで、口コミや情報共有の場として患者とのコミュニケーションを促進し、新規患者の獲得につなげます。特に、InstagramやFacebookなどの写真や動画を投稿できるプラットフォームは、治療院の魅力を視覚的に伝えるのに適しています。

さらに地域のイベントやコミュニティ活動に積極的に参加することも、集客の一環として有効です。

地域住民との交流を深めることで、地域に根ざした治療院としての信頼度が高まり、口コミや紹介による新規患者の獲得につながります。

良質な治療と丁寧なサービスを提供することで、患者に満足度を高めてもらい、積極的に口コミや紹介をしてもらう仕組みを整えることが重要です。

【ステップ7】開業届を出す

開業届を出すというのは、治療院を開業するために必要な法的手続きの一つです。

この手続きは、治療院が地域社会に正式に存在することを宣言するものであり、地方自治体や関連機関に対して提出されます。

手続きの準備: 開業届を提出するには、まず必要な書類や情報を準備する必要があります。

一般的には、個人情報や法人情報、治療院の所在地、開業日などの情報が含まれます。

また、地方自治体や関連機関のウェブサイトで提供される専用の申請書やフォームを入手し、必要事項を記入します。

次に、治療院の所在地を管轄する地方自治体の保健所に開業届を提出します。

提出方法や必要な手続きは地域によって異なる場合がありますので、事前に地方自治体のウェブサイトや窓口で確認することが重要です。

開業届を提出する際には、必要な書類や手数料を添えて提出します。
また、治療院を開業する場合、保健所以外にも税務署や消防署などの関連機関に開業届を提出する必要があります。

特に税務署への開業届提出は、所得税や消費税などの税金の課税対象として正式に登録されることを意味します。

最後に、開業届が提出されると、地方自治体や関連機関が内容を審査し、受理されると正式な開業が認められます。

以上が、開業届を出す手続きの基本的な流れです。
必要な手続きや支払いが完了すると、治療院は正式に開業したことになります。

治療院経営を成功させるためのポイント

治療院を経営する上での成功は、ただ単に良い治療を提供するだけではなく、より広い視野での戦略的な計画と実行が求められます。

さらに、以下のような複数の要素を組み合わせて計画的に取り組むことで、成功を実現できます。

定期的な経営状況のチェック

定期的な経営状況のチェックが基本です。売上、経費、借入の返済状況、利益など、経営に関するあらゆる側面を定期的に評価し、必要に応じて集客方法や経費の見直しをします。

月次または四半期ごとの売上の詳細な分析をし、前年と比較した際に、どの治療が最も収益化が高いか、どの時期に顧客が最も来院するか傾向を調べ分析します。

例えば、冬季に関節痛を訴える患者が多い場合、その時期に特化したプロモーションを実施します。

したがって、このように他院と差別化を図り、価格競争に巻き込まれないよう独自の強みを前面に出すことが重要です。

他院と比較し、独自の技術やサービス、施設の内装、アクセスの良さ、営業時間など、さまざまな面で異なる価値を提供していきます。

顧客にとって魅力的な独自性を打ち出すことで、顧客の関心を引き、選ばれる理由を向上させる必要があります。

これにより、経営が赤字に陥るリスクを最小限に抑え、財務の健全性を維持できます。

独自の価値を打ち出す

価格競争を回避し独自の価値を打ち出すことが重要です。

治療院が特定の疾患や症状に特化している場合、その専門性や専門知識を強調します。例えば、スポーツ障害や慢性疼痛などの特定の領域に精通していることをアピールします。

また、治療院独自のリハビリプログラムや健康セミナー、イベントなどを定期的に開催し、顧客の関心を集めます。

これらのプログラムやイベントは、治療院の専門性やサービスの質をアピールする場としても機能します。

上記のことを踏まえ、安易な値下げや安売りは避けることで、価格競争に巻き込まれず、独自の強みや価値を前面に出して集客することが大切です。

質の高い施術を提供することで、価格が若干高くても来院に繋がり、価格ではなく、サービスの質で競争することが可能になります。

施術メニューの絞り込み

治療院が提供するサービスを絞り込むことで、特定のニーズに特化したサービスを提供できます。

需要の高い施術や効果が確実に得られる施術に重点を置き、他の施術を削減または統合することで、効率性を高めます。

また、スポーツ障害に特化したリハビリテーションプログラムや、慢性疼痛管理に特化した治療プランなどを提案していくことも挙げられます。

顧客のニーズや要望に応じて、施術メニューを柔軟に調整して、カスタマイズされた施術プランを提供したり、顧客のフィードバックを受けて定期的にメニューを見直します。

これにより、顧客が自分のニーズに合ったサービスを見つけられ、顧客満足度が向上します。

絞り込まれた施術メニューは、治療院のブランドとイメージを強化し、より独自性の高いサービスを提供することができます。

その結果、顧客の満足度や、治療院の成長と成功につながります。

リピート率の向上戦略

リピート率の向上を目指します。顧客の満足度を高め、再訪を促すには、技術とサービスの質の向上と丁寧な対応が不可欠です。

高品質な施術とひたむきな姿勢で顧客の要望に応えることで、信頼関係が築かれ、満足度が向上しお店や施術者への信頼が深まり、再訪率が高まります。

リピート顧客への特典や割引券の提供をし、再訪を促します。定期的な来院や特定の施術の回数券を購入すると、割引や特典が得られるプランを提供します。

また、丁寧なカウンセリングやアフターケアの提供など、顧客の満足度を高めるためのサービスを提供します。

その為に、定期的な顧客満足度調査を実施し、顧客の声を集め、サービスの改善点や顧客の要望を把握します。

顧客のフィードバックを積極的に活用し、サービスの向上に努めることで、リピート率を向上させます。

さらにSNSを活用した情報発信は、顧客とのコミュニケーションを強化し、新たな顧客の獲得にもつながります。

施術の効果や最新情報、お得な情報などを積極的に発信し、顧客の興味を引くようなコンテンツを提供しましょう。

顧客が再訪したいと思うような環境を作り出すことが成功への鍵です。

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まとめ

今回の記事では、治療院経営についてご紹介をしてきました。

経営状況の定期的な評価と改善
差別化戦略
顧客のリピート率の向上

以上のポイントを踏まえ、治療院経営者は常に市場の変化に積極的に対応し、
顧客のニーズに応え、独自性と専門性を強化していくことが成功への近道です。

成功への道は決して平坦ではありませんが、情熱と努力を持って取り組むことで、より充実した、良い未来を実現することができるでしょう。

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この記事を書いた人
日本治療院支援協会編集部

当記事は、「一般社団法人日本治療院支援協会」の編集部が執筆をしています。これまで、セミナーやサービスを通じて3,000院以上の治療院を支援してきました。公式ブログでは、治療院の経営者向けに「治療院経営を成功させることができる秘訣」をお伝えします。