整体院経営のステップと失敗防止策
整体院を経営することは、多くの人にとって夢であり、大きな挑戦です。
そんな中、整体院を開業したいけれど、何から手を付ければいいかわからない。そんな疑問や悩みを抱えている方は、少なくありません。
整体院経営には、様々な課題や検討すべきポイントが存在します。では、何から始めるべきなのでしょうか?
ここでは、開業に向けた具体的なステップと、失敗を避けるためのポイントを解説します。
整体院経営をすでにしている方が実践していることも紹介していますので、ぜひご覧ください。
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当記事は、「一般社団法人日本治療院支援協会」の編集部が執筆をしています。これまで、セミナーやサービスを通じて3,000院以上の治療院を支援してきました。公式ブログでは、治療院の経営者向けに「治療院経営を成功させることができる秘訣」をお伝えします。 |
目次
整体院・開業までのステップ
整体院を開業するには、計画的な準備と段階的な手続きが必要です。ここでは、開業に至る主要なステップを解説します。
「ステップ1」開業資金を調達する
開業するためには、資金調達が非常に重要なステップです。
開業資金を調達する方法はいくつかありますが、特に低金利での融資を希望する場合、日本政策金融公庫、銀行、信用金庫という選択肢が考えられます。
まず、公的な金融機関としては、地域の経済活性化を支援することを目的とした、「日本政策金融公庫」があり、新規開業者向けの低金利融資プログラムを提供しております。
さらに、整体院のビジネスプランがしっかりしている場合には低金利での融資が可能です。
ただし、公的機関はビジネスプランの質を重視するため、事業計画書の準備を入念に行いましょう。
次に、地元の銀行や信用金庫も開業資金の調達先として考慮すべきです。
地元の銀行や信用金庫も、地域の経済活動を支援する役割を担っています。
そのため、地元で事業を展開しようとする個人や企業に対して、より具体的な支援を提供することが可能です。
この地域に根ざしたアプローチは、新規事業者が地元市場に適応しやすくする助けとなります。
しかし、これらの金融機関から融資を受ける際には、いくつかの厳しい条件が伴うことがあります。
特に、信用情報のチェックは厳格であり、良好な信用履歴が求められます。
また、融資の確保のためには、物理的な担保や保証人の提供が必要になる場合があります。
これは、金融機関がリスクを管理しようとするための措置です。
従って、整体院を開業する際にこれらの金融機関を利用することを考える場合は、信用情報の管理と適切な担保や保証人の準備を怠らないようにしましょう。
初期費用を抑える
開業時の初期投資は、事業の将来に大きな影響を及ぼすため、費用を効率的に管理することが重要です。
開業場所の選定についてですが、高い賃料のエリアを避け、比較的家賃が安い場所を選ぶことが初期コストを下げる一つの方法です。
また、自宅を利用することで、賃貸料を節約し、改装費用も最小限に抑えることが可能です。
次に、設備投資に関しては、必要最低限の備品のみを新品で購入し、それ以外は中古品を利用することもコスト削減につながります。
例えば、整体ベッドや待合室の家具など、状態の良い中古品が市場には多く出回っていますので簡単に買い揃えられます。
さらに、広告費用も大きな初期投資の一部です。広告は地域の無料広告誌や、SNSを活用することでコストを抑えられます。
特にSNSは低コストで始められ、ターゲットとする顧客層に直接リーチすることが可能です。
また、整体院の運営では、保険や材料などのランニングコストも考慮する必要があります。
これらのコストを抑えるためには、保険の見直しや、消耗品の一括購入による割引利用などが有効です。
「ステップ2」開業する場所を決める
整体院を開業する際の場所選びは、コストとリスクのバランスを考える必要があります。
具体的には、自宅、店舗、賃貸マンション、レンタルスペースといった選択肢が挙げられます。
まず、自宅での開業は、改装が必要ですが、敷金や家賃のコストを抑えられるため、初期投資を少なくしたい方に適しています。
例えば、自宅で整骨院を開業した場合、自宅の一部を改装して施術室として利用し、必要な機器や備品を設置します。
これにより、通勤時間や家賃などのコストを節約しながら、患者さんを迎えられます。
一方、店舗や賃貸マンションでの開業は、立地や設備の充実を図れる一方で、改装費用や敷金、さらには家賃といった継続的な費用が発生します。
長期的なビジネス計画と収益予測をしっかりと立て、その上での家賃の支払いがビジネスの持続的な可能性に与える影響を評価することが必要です。
また、レンタルスペースを利用する場合は、必要なときだけ料金を支払うシステムなので、コストを低く抑えつつ整体院を運営できます。
最近では、整体用のベッドやタオルなどの設備が整ったレンタルサロンも増えており、手軽に開業できるため、特に初心者におすすめです。
「ステップ3」整体院のコンセプトを考える
整体院を開業する際、コンセプトはその事業の基盤となる重要な要素です。
例えば、「リラクゼーションを重視した高級感のある空間」をコンセプトにする場合、患者さんに究極の癒しを提供することを目指します。
また、「地域密着型のアットホームなサービス」をコンセプトにする場合は、地元のコミュニティに根づいた親しみやすいサービスを提供することが求められます。
これらのコンセプトに沿ったサービスの強みや特徴を打ち出すことも大切です。
例えば、特殊なマッサージ技術を持つことや、オーガニックのオイルを使用することは、他の整体院との差別化につながります。
これにより、特定のニーズを持つ顧客層を引き付け、リピーターを増やすことが可能になります。
また、サービスの特徴を明確にすることは、マーケティング戦略においても非常に重要です。
どのような特色を前面に出すかによって、広告の内容やターゲットとする顧客層が変わってきます。
そのため、事業計画を立てる際には、これらの要素を総合的に検討し、組み込むことが求められます。
「ステップ4」 建物の種類を選択する
物件の選び方一つで、集客効果やランニングコストが大きく変わってくるため、地域やターゲットに合わせた戦略的な選定が求められます。
まず、都市部で整体院を開業する場合は、交通の便が良い場所を選ぶことが重要です。
例えば、駅から近い場所やバス停がすぐ近くにある物件の場合、仕事帰りのサラリーマンやOLなどが気軽に立ち寄れるため、集客に有利です。
これにより、通院しやすい環境を提供できます。
一方、地方で開業する場合は、駐車場のスペースを確保できる物件が望ましいです。
地方では車が主な交通手段であるため、広い駐車スペースがあることで、遠方からの顧客も引き寄せやすくなります。
また、大型ショッピングモール内に治療院を構えることは、戦略的なアプローチの一つです。
ショッピングモールは、主婦や子連れの家族など幅広い層が訪れる場所であり、これらのターゲット層に特化したサービスを提供することで、高い集客が期待できます。
例えば、ショッピングモール内にある治療院では、主婦や子連れの家族向けに、ストレス解消やリラクゼーションを提供するマッサージや整体などのサービスを展開することが考えられます。
また、子供を連れて来店する家族向けに、待ち時間を楽しめるキッズスペースを設けるなどの工夫も効果的です。
以上のことを踏まえ、物件選定は、立地、サイズ、コスト、条件といった多角的な視点からアプローチすることが重要です。
これらの要素をバランス良く考慮することで、成功に繋がる整体院の立地を確保できます。
「ステップ5」店舗のレイアウトを決める
整体院の内装は、顧客がリラックスして快適に施術を受けられるような環境を作り出すために非常に重要です。
内装工事の方法には、スケルトン物件からの全面改装と、居抜き物件を利用するという二つのアプローチがあります。
スケルトン物件を選んだ場合、内装工事は自由に設計することが可能です。
これにより、理想的なレイアウトやデザインを実現できるため、ブランドイメージに合った独自の空間を創出できます。
例えば、音響や照明、空調といった要素を最適化し、リラクゼーションに適した環境を提供できます。
さらに、バリアフリー設計を取り入れることで、高齢者や身体に障害を持つ顧客にも配慮した施設ができます。
しかし、この方法は、工事費用が高くなる傾向にあり、壁や床、設備の配置など全てを一から設計するため、コストと時間がかかることを覚悟する必要があります。
一方で、コストを抑える方法として居抜き物件の利用が挙げられます。
居抜き物件とは、前のテナントが使っていた内装や設備がそのまま残されている物件のことです。
これを利用することで、大規模な改装を避けられ、必要な部分のみのリフォームや修正で済むため、内装工事の費用を大幅に削減できます。
ただし、居抜き物件の場合は既存のレイアウトや設備に合わせる必要があり、完全には自由なデザインは期待できないことも理解しておく必要があります。
どちらを選ぶかは、予算、デザインの自由度、そして事業のコンセプトによって異なりますが、自身に合った最適な選択をし、顧客が心地よく過ごせる空間を作り上げることが成功への鍵となります。
「ステップ6」集客方法を考える
集客手法は多岐にわたりますが、特に効果的な方法をいくつか取り上げ、それぞれの重要性と実施方法について説明していきます。
まず、ホームページの開設は現代のビジネスにおいて非常に重要です。
多くの顧客がインターネットで情報を検索するため、整体院のオンラインでの存在感を示すことは不可欠です。
さらにホームページでは、施術内容、料金、アクセス情報、予約方法などを明確に掲載し、顧客が必要とする情報を簡単に得られるようにします。
また、無料で利用できるホームページ作成サービスも多数存在するため、コストを抑えて効果的に集客ツールとして利用できます。
次に、チラシやパンフレットの作成も有効です。これらは地元の住民や近隣のビジネスに直接手渡しすることで、地域密着型の宣伝をするのに適しています。
例えば、オープニングキャンペーンや割引サービスを前面に打ち出すことで、新規顧客の興味を引きやすくなります。
また、SNSアカウントの開設も集客戦略として非常に重要です。Facebook、Instagram、Twitterなどのプラットフォームを使用して、日常的な更新やお得な情報を発信することで、フォロワーとの関係を築きます。
SNSはリアルタイムでのコミュニケーションが可能であり、顧客からのフィードバックを直接受け取ることもできます。
それぞれが異なる強みを生かし、整体院の認知度向上と集客増加を目指していきましょう。
「ステップ7」必要な設備を整える
整骨院で快適な治療環境を提供するためには、様々な設備が整っていることが重要です。
まず、施術用ベッドは整骨院にとって必須の設備です。これは患者さんが施術を受ける際に使用するベッドやマッサージ台を指します。
例えば、患者さんが快適に施術を受けられるように適切な高さやクッション性が確保されていることにより、リラックスし施術の効果を最大限に引き出せます。
次に、エアコンは整骨院の室内環境を整えるために不可欠です。
適切な温度と湿度を保つことで、患者さんにとって快適な環境を作り出すことができます。また、カーテンも同様に重要で、プライバシーの保護や適切な光の調節を可能にします。
タオルやシーツ、胸当てや顔用のマクラも、患者さんの快適性を高めるために重要です。
これらの消耗品は常に清潔であることが求められ、患者さんへのサービスの質を保つために定期的な交換や洗濯が必要です。
さらに、デスクやパソコンは治療院の運営において非常に役立ちます。スケジュール管理や患者情報の記録、請求書の作成など、日々の管理業務を効率的に行うために必要です。
また、電子カルテの導入は、リピーターの情報を効率的に管理し、個別の患者ケアに役立てられる為おすすめです。
これらの設備と備品が整備されていることで、整骨院は患者さんに快適で質の高い治療を提供できますし、整骨院の設備投資は患者さんからの信頼と満足度を高められるでしょう。
「ステップ8」開業届を提出する
開業後は税務上の手続きが重要となり、特に開業届の提出は非常に重要です。開業届の提出方法には次の3つのパターンがあります。
⚫️1.最も一般的な方法は、税務署の窓口に直接書類を持参することです。これにより、直接担当者と対面で連絡を取りながら手続きを進めることができ、疑問点を即座に解消できます。
⚫️2.次に、書類を税務署に郵送する方法もあります。これは窓口に直接行く時間が取れない場合に便利です。
必要な書類を郵送するだけで手続きが完了するため、時間や場所を選ばずに済みますが、書類の不備があると手続きが遅れる可能性があります。
⚫️3.e-Taxを使う方法もあります。e-Taxはオンラインで税務手続きが行えるシステムで、自宅や事務所から手続きを完了できます。
この方法は、特に時間を節約したい場合に適しており、近年では多くの事業者が利用しています。
一方、開業届を提出しない場合、開業した年の事業収支をまとめて確定申告することで、開業届の代わりとなります。
ただし、開業届を提出することで税務署からのサポートやアドバイスを受けることが可能となりますので、計画的に手続きをすることをおすすめします。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、適切な方法を選んで、スムーズに税務手続きをしましょう。
これにより、事業の正式なスタートを宣言し、税務上のトラブルを避けられます。
整体院の市場規模
健康意識の高まりや高齢化社会の進行とともに需要が増加しており、市場規模も拡大傾向にあります。
日本では、特に都市部を中心に多くの整体院が存在しており、国民の健康維持や疲労回復、慢性的な痛みの管理などの需要に応えています。
厚生労働省や関連業界団体のデータによると、整体業界全体の市場規模は数千億円規模にも上ると推計されており、今後もその数は増加する見込みです。
さらに、平成30年から現在までに整体関連の施設は約1,000ヶ所増加し、合計約14万ヶ所に上っています。
これは全国にあるコンビニの数、約6万店舗と比較しても2倍以上となり、整体業界の競争の激しさを物語っています。
整体院経営の難しさ・対策
整体院の数が多いことは、顧客に選択肢が多いというメリットがある一方で、事業者にとっては高い競合性を意味します。
そのため、整体院の経営においては、単にサービスを提供するだけでなく、他の整体院との差別化が非常に重要になります。
例えば、スポーツ整体、産後の骨盤調整、老人整体など、特定のニーズに応じたサービスを提供します。
特定の治療技術や方法に特化することで、その分野での専門家としての地位を確立します。
さらに整体院におけるサービスの質を向上させるための重要な要素の一つが、スタッフの継続的な教育です。
これは、スタッフの技術向上だけでなく、最新の整体知識を習得するためにも必要です。
継続的な教育をすることで、整体師は最新の治療技術や、顧客のニーズに応じた施術方法を学べます。
例えば、特定の痛みや体の不調に対して最適なアプローチを模索することが可能になります。
また、スタッフ間のコミュニケーションの改善やチームワークを促進する研修も、サービスの質を高める上で効果的です。
整体師に必要な資格
整体師は資格が必須ではないため、誰でも開業が可能ですが、資格を持つことには大きなメリットがあります。
こちらを踏まえ整体師としての資格取得についてご紹介します。
国家資格
国家資格を持つ整体師は、医療知識や専門技術が高く評価され、顧客からの信頼が得られます。これにより、整体院の集客力や信頼性が向上します。具体的な資格としては、
・柔道整復師
・理学療法士
・作業療法士
・鍼灸師
・あん摩マッサージ師指圧師
こちらの整体師として国家資格を取得するためには、専門学校へ3〜4年通い広範囲にわたる医学的知識を深く学びます。
卒業後は、広範な医療知識と技術を提供し、顧客の健康問題に対するより効果的なアプローチができます。
また、整体師としての資格取得は、高い初期投資と持続的な努力を必要としますが、専門性の高いサービスを提供する能力を身につけます。
これにより、整体院はより信頼されるサービスを顧客に提供し、長期的な成功へとつながるでしょう。
民間資格
国家資格取得には時間とコストがかかるため、整体師にとっては民間資格が一つの選択肢となります。
民間資格としては、
アロマテラピー
リフレクソロジー
ケアセラピー、カイロプラクティック
などがあり、数日から数週間の短期講習や、最長で1〜2年程度のスクール通学で取得可能です。
国家資格に比べて時間と経済的な負担が大幅に軽減されるため、よりアクセスしやすい選択肢と言えます。
様々な選択肢がある中で自分のやりたいことを明確にし資格習得を目指して下さい。
整体院経営者の年収
整体院の経営者としての年収は、いくつかの要因によって大きく異なりますが、一般的には地域、経験、院の規模、顧客数、サービスの質などに左右されますので、詳しく説明していきます。
平均年収
開業初期よりも、経営が安定してくる3〜5年後には、収入も増加する傾向にあります。
事業が軌道に乗り始めると、年収は500万円から1000万円程度に増加するのが一般的です。
また、この収入の増加は、効果的なマーケティング戦略、優れた顧客サービス、そして口コミによる新規顧客の獲得に大きく依存します。
さらに、地域によって市場の需要や経済状況が異なるため、同じ整体院でも地域によって収入に差が出ます。
都市部では競争が激しいものの高額な料金設定が可能なことが多いですし、地方では競争が少ない分、固定客を確保しやすい傾向にあります。
適切なマーケティング戦略と顧客管理をすることで、年収を増やし、事業を成長させられるでしょう。
開業1年目の年収
開業1年目の平均年収は約400万円前後とされていますが、これは経営戦略と個々の取り組みによって左右されます。
特に、1年目は収入が約200万円前後となることもあります。
この場合は、見積もりが甘いこと、治療技術だけに依存した開業計画、経営の知識の不足が原因である場合が多いです。
資金や集客の知識が不足していると、開業後すぐに資金繰りに困り、廃業に至ることもある為、見積もりの調整や、治療技術と経営知識のバランスが必要です。
資金や集客の知識を強化することで、早期の困難を乗り越え、持続可能なビジネスへと成長できます。
一方、計画的に開業を進めた整体院の経営者は、1年目から繁盛するケースが見られ、年収が600万円から800万円に達することもあります。
成功する経営者は、開業前から経営やマーケティングについて徹底的に学び、正確な市場分析に基づく戦略を展開します。
これにより、患者一人あたりの売上を最大化し、高い単価を設定することが可能となり、ビジネスの成長と安定を実現します。
3年目の整体院経営者の平均年収
一般的に、整体院を経営する場合、開業から数年は事業の安定と成長を目指す重要な時期となります。
特に3年目は、事業が安定期に入り始める節目とされており、平均的な年収は約800万円前後とされています。
この年収は、整体院が市場内で地位を築き始め、リピーターの顧客を獲得し、新規顧客の流入が増えることで達成されます。
また、整体院を成功させるためには、継続的な顧客満足の追求、効率的な運営管理、そして市場動向に敏感であることが求められます。
これらを達成することで、安定した収入を確保し、更なる成長を目指せるでしょう。
整体院経営における失敗防止策
整体院の経営成功は、顧客獲得の効率と日々の運営から学び、適切に次の戦略を立案する柔軟性に大きく影響します。開業前から準備しておくべきポイントを以下にご紹介します。
適切なターゲットに向けた集客戦略の選択
まずターゲットとなる顧客層を明確に定義することが大切です。
年齢、性別、職業などの基準をもとに、具体的な顧客層を想定しましょう。この顧客層を絞ることで、より効果的な集客戦略を立てることが可能になります。
集客方法としては、Web広告、SNSの活用、ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、看板の設置など、多岐にわたる手段が存在します。
しかし、初期の段階で全てをすると、時間も労力も費用も多大になりがちです。
そのため、ターゲットに合わせて最も効果が期待できる方法を選び、優先順位をつけて集客活動をすることが重要です。
例えば、若い女性をターゲットにする場合は、SNSを活用したプロモーションが効果的です。
顧客満足度を上げる
単に施術を提供するだけでなく、利用者のニーズに応えるメニューやサービスが必要です。
これには、利用者の悩みを深く理解し、適切な解決策を提供するためにカウンセリングを十分に行い一人一人に合ったサービスを提供することで満足度も上がっていきます。
例えば、オフィスワーカーの患者さんには、
デスクでの長時間の作業によって緊張した首や肩の筋肉をほぐすマッサージや、
座りすぎによる腰痛を改善するための骨盤調整などを提供します。
また、姿勢改善のためのストレッチやエクササイズのアドバイスも重要です。
さらに、リラックス効果のあるアロマセラピーを組み合わせたり、施術中に心地よい音楽を流したりすることで、顧客の心身のリフレッシュに貢献します。
以上のことから、利用者一人ひとりの悩みに対応するためには、カウンセリング能力を磨き、
それに基づいた技術の提供が求められます。
これによって、利用者が本当に求めるサービスを実現し、長期的な顧客満足と整体院の繁栄を目指します。
リピート客を増やす
整体院の収益は、新規顧客を獲得するだけではなく、リピートユーザーを増やすことにより大きく左右されます。
新規顧客の場合、来店頻度や次回の予約は予測が難しいですが、リピートユーザーの場合は定期的に施術を受ける傾向があるため、売上の見込みが安定します。
リピート率が高まるほど、売上の予測も立てやすくなり、経営の安定につながります。
また、リピートユーザーを増やすためには、施術の質を保つことはもちろん、顧客との積極的なコミュニケーションが重要です。
施術後のフォローアップや、顧客の健康状態に合わせたアドバイスを提供することで、顧客が次回も利用したいと感じるような関係性を築きましょう。
例えば、定期的なキャンペーンやお得なクーポンの提供も、リピート率を高めるための効果的な手段です。
物販ラインの拡充
整体院での物販は、施術収入以外の収益源として非常に有効です。
サプリメントや健康食品、湿布などの医薬部外品、サポーターやコルセットなど、利用者の健康をサポートする製品が主に販売されます。
これらの商品を適切に提案することで、顧客の満足度を高めるとともに、購買率も向上させられます。
ただし、物販をする際はいくつか注意が必要です。
まず、整体院では医薬品や医療機器の販売が許されていないため、販売可能な商品を正確に理解し、遵守する必要があります。
また、商品の押し売りは顧客の不快感を招き、リピート率の低下を招く可能性があるため、顧客のニーズに合った商品を適切に提案することが求められます。
顧客の信頼を築きながら物販を取り入れていきましょう。
運動指導の提供
整体院は、ただ痛みを取るだけでなく、健康や美容の維持、向上に対するニーズにも応える場として進化しています。
その一環として、運動療法を取り入れている整体院も増えています。運動療法は、障がいや疾患の治療・予防のために専門的な運動指導をするもので、利用者の身体機能の改善や健康促進を図れます。
例えば、整体院では、肩こりや腰痛の原因となる筋肉の活動量不足を改善するために、
適切なストレッチやエクササイズを指導します。
また、姿勢の改善や体力向上を目指すプログラムも提供されます。これにより、顧客は治療だけでなく、自身の健康管理や美容にも積極的に取り組めます。
整体院が運動療法を取り入れることで、顧客の健康意識の向上や、より長期的な健康状態の維持をし、整体院がより幅広い健康サポートを提供する場として進化しています。
新規店舗の開設
整体院の店舗数を増やすことは、より多くの収入を得るとともに、サービスの提供地域を広げる大きなチャンスです。
店舗展開の際には、新たな分院長を外部から雇う方法と、自院で育成したスタッフを分院長として昇格させる方法があります。
どちらの方法もそれぞれのメリットとデメリットがあり、適切な選択が求められます。
外部からの採用は、新しい視点をもたらす可能性がありますが、自院の文化や運営スタイルを理解してもらうには時間がかかる場合があります。
一方、内部昇格では、既に組織の文化や業務フローを理解しているため、スムーズな運営が期待できます。
さらに、経営者は複数の店舗を管理するために、経営学や指導力を磨く必要があります。
また、複数院の運営は大きなやりがいがありますが、それに伴い管理すべき業務も増えるため、事前の準備と綿密な計画が必要です。
以上のことから、組織のビジョンと目標を明確にし、各分院が連携して効果的に運営できる体制を整えながら新店舗を拡大していきましょう。
まとめ
今回の記事では、整体院・経営についてご紹介していきました。
●適切なターゲットに向けた集客戦略の選択
● 顧客満足度の向上
●リピート客の増加
以上を踏まえ、整体院経営の失敗を防ぐためには、
ターゲットに向けた集客戦略や、顧客満足を最優先に考えた経営をすることで、リピーターを増やし、口コミでの新規顧客獲得にもつながります。
これが結果的に売上向上に寄与し、持続可能なビジネスモデルを築くことに繋がり充実した、より良い未来を実現できるでしょう。
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当記事は、「一般社団法人日本治療院支援協会」の編集部が執筆をしています。これまで、セミナーやサービスを通じて3,000院以上の治療院を支援してきました。公式ブログでは、治療院の経営者向けに「治療院経営を成功させることができる秘訣」をお伝えします。 |